複合的な視点からの研究が可能に!
一人一人の問題意識を3領域の教員が総合的に指導します。
大きな社会変化に伴い、子どもを取り巻く環境は急速に変容しています。子どもの育ちをサポートする大人たちも、その変化に対応すべく、教育や支援のあり方を模索してきました。 その過程で、不登校児に対する教育・支援にしても、教師や学校だけで、あるいは教育学という観点のみから児童・生徒らの状況を理解し、対策をたてることは難しく、多様な職種(カウンセラー、ソーシャルワーカー、医療機関、行政等)と学問領域(心理学、福祉学、精神医学等)からの複合的な取り組みの必要性が分かってきました。
このような取り組みは、今日では当たり前になっていますが、“臨床教育学研究科”では1994年より、教育学・心理学・福祉学からなる学際的・複合的なアプローチを先駆的に採用しました。 さらに、“臨床”の場で子どもを支援する様々な専門職が集まり、経験を活かしながら多角的に事例を検討し、理解し合うことを目指して、働きながら学べる夜間制大学院としたのです。その後、社会人学生からの様々な要望を受け、学校のみならず福祉や医療の現場で活動されている“対人援助職”の方々にも対応できるようカリキュラムの改善に努め、今日に至っています。よって、本研究科で学ぶ社会人は、学校関係者の他、心理職や福祉職、看護職、さらには司法関係者にも広がっており、専門職間での議論や学び合いが修了生の満足につながっています。
四半世紀に及ぶ歴史をもつ臨床教育学研究科では、499名の修士課程修了者を輩出し、博士号取得者は76名を数えます(2021年度末時点)。 今後とも、学際的な観点から、“対人援助職”の皆さんが抱える課題をともに考え、専門領域を超えて学び合う環境を整えるとともに、最新の学術的成果を取り入れながら、社会のニーズに応える教育を進めてまいります。
皆さまとともに学び合えますことを、研究科教員一同、楽しみにしております。
武庫川女子大学大学院臨床教育学研究科 研究科長 安東 由則