「教授に訊く」
臨床教育学を学ぶ価値とは

心理分野担当教授 河合 優年

心理分野担当教授

河合 優年

からだは大人、こころは子ども、をモットーに頑張っています。大人の技能や知識、身体的活動能力を持っているが、こころは子どものように柔軟で、様々な事に感動する力を失っていない。そのような大人、素晴らしくないですか。
プロフィールについて教えてください。
 大阪南部の生まれです。アメリカ的表現が好きなので「南部生まれ」を使っています。時々南部なまりで話してしまいます。昭和、平成、令和と、健康だけを取り柄に生きてきています。子どもが大好きで、新聞に「子ども点描」というコラムを5年にわたって書かせていただいています。
研究内容について教えてください。
 子どもの育ちと学びについて研究しています。私たち大人はある日突然大人になるわけでなく、様々な個性をもちながら少しずつ変化します。動物としてのヒトがどのようにして社会的存在としての人間になるのか、その変化の過程と仕組みを研究しています。
なぜその研究が社会にとって必要なのかを教えて下さい。
 人間を取り巻く環境は、コロナ禍や自然環境の急激な変化など、様々な形で私たちの発達に影響してきます。人間の発達のしくみを明らかにすることで、今の子どもたちが対応するためのヒントを与えることができます。また、その状態からの回復方法が見えてくるかもしれません。
ご担当の科目の臨床教育学の中での役割を教えてください。
 人間は他者との関係の中で生きています。これは誕生直後の新生児から高齢者まで同じです。人が発達する過程で、他者との関係性がどのように形成されるのかを知ることは、対人援助を考える上で重要なことであると考えます。私の担当科目では受講者の方と一緒にこのことについて考えることにより、知識とスキルを身につける役割をしています。
ゼミ運営の特長として意識されていることはありますか。
 楽しく学びながらゆるゆると深めてゆくということでしょうか。知識はサイニーなどのオーソライズされたサイトから得ることができます。重要なのは、それらを使って自分自身の考えを導くということかと思います。そのためには知りたいことは何か、分かると嬉しいことは何かを持っていることです。
心理分野担当教授 河合 優年
どんな経験や関心をもつ学生に進学してほしいですか。
 臨床教育学研究科はどんな人も受け入れています。弁護士さんや薬剤師さん、看護師さん、学校教員、保育士さん、家でパンを焼いている人、子どもたちに読み聞かせをしている人、どんな人でもよいのです。来てほしい人ではなく、来たい人たちに来てほしいですね。
心理分野担当教授 河合 優年
これから受験しようとする方へメッセージをお願いします。
 昭和、平成、令和を生きた先輩として言えることは、人生は一回で必ず終わりがあります、学んでみたいと思ったら受験するのは今でしょ。