修了生の声

本研究科を修了された方々の感想

松永 由美さん 中学校教諭

私は中学校教員として長年勤務してきました。教員としての経験から学んだことはたくさんありましたが、もっと様々な知識を身につけ、見識を深めてみたいと思い、大学院への進学を決めました。

教員の仕事は、朝早くから晩遅くまで続きます。大学院に入学した年は、私は中学校3年生の担任であり、しかも以前よりも多くの校務分掌を受け持つ年となりました。このような状況で始めは仕事と大学院の両立ができるのか不安でしたが、自分の采配で時間の調整は可能であることが次第に分かってきました。学びの時間をつくることにより一層メリハリをつけて仕事に打ち込むこともできました。

1年目は毎日大学院での授業があり、職場で下校指導を終えてすぐに、授業に駆けつけました。はじめは大変と感じることもありましたが、いつの間にか授業に参加することが楽しみになっていきました。

福祉・心理・教育という3つの分野の特論では、自分の仕事と関連のある内容が多く、職場での実践に生かせることばかりでした。学んだことを職場で取り入れることも多く、マンネリ化しかけていた仕事内容が、より充実したものに変化していきました。大学院での学びによって、教員という自分の仕事が一層好きになり、これから先もこの仕事を続けていきたいという気持ちが高まりました。

大学院は様々な学びがあるだけではなく、素晴らしい先生や多職種の仲間との出会いもあります。仕事が休みの土曜日は仲間とともに図書館で文献を調べたりしながら研究に取り組み、お昼は学食でランチを食べながら交流するなど、楽しい学生生活も送ることができました。大学院での2年間は学生としても教員としても充実していた2年間だったと思います。

堀岡 裕子さん 元中学校教諭

私は、長い間、教育現場で体育の教員として働いてきました。毎日の仕事はめまぐるしく、何かおかしい、もっと何かできるのではないかと思いながらも、目の前のやることに追われるばかりでじっくりと自分の仕事に向き合うこともできず、何かモヤモヤとしたものを抱える毎日でした。

「臨床教育学」という学科名に惹かれ(実はどんな学科なのかはわかっていなかったのですが…)、現場で経験してきたことを感覚ではなく、客観的に整理できるのではないかという大きな興味と期待を持って本校の受験を決めました。

入学1年目、仕事が終わってからの慌ただしい通学は少々大変でしたが、今まで『人に教える』ことを仕事としてきた自分が人から教わり、発見できることはとても新鮮で、毎日がわくわくと楽しい時間でした。

1年の後半からは、論文に向けての研究が始まりましたが、正直なところ『論文を書く』ということに意識がなく、何をどう書いていいのかさっぱりわからないまま、毎週ゼミ室では緊張と自己嫌悪の連続でした。無事に卒業できたのは、ゼミの先生が「書きたいと思うことを、難しい言葉でなくていいから、素直に書いたらいいよ」と言ってくださり、他の先生方も大きな包容力と忍耐を持って指導してくださいました。

そして、もう一つの力は院の仲間たちの存在です。年齢も職業も違う学友ですが、励まし、愚痴り合い、情報交換をする時間はとても楽しく、何十年ぶりの女子大生気分を味わいました。

時間に追われ、四苦八苦の論文でしたが、研究の中で知った小さな発見が次第に面白さにも代わり、不思議なことに今また、何か書いてみたいという気持ちにもなっています。頂いたこの貴重な経験を何かに役立てていけるよう、これからも学び続けていきたいです。

2020年卒業 元中学校教論

森田 惠美さん 元保育所長

私は保育士として約40年を、障害児・者施設や、保育現場、保育所長、行政現場等で過ごしてきました。 保定年という頃になって、保育士として長く働いてきたけれど、何が残るのだろう?残せたのだろう?今までの自分はリセットされるのだろうかと考えるようになりました。たまたま本学の入学案内パンフレットを見かけたのもこの時期でした。

しかし、本当に通学できるのか不安もありました。加えて、私の両親もいつ介護が必要になってもおかしくない年齢です。3年の長期履修制度が背中を押してくれました。 現役の所長として必死な1年目でしたが、一方向ではない授業や、様々な職種の人たちとの交流はとても楽しく新鮮な世界で、重い身体と心を引きずって行くものの、帰りには「今日も行って良かった!」といつも思っていました。

2年目には父の急死、母の入院、一人息子の結婚、双子の孫の誕生と、とにかく波乱万丈でしたが、3年履修のおかげで何とか修論を書き上げることができました。 ゼミでは、ディスカッションを通して、時には何が知りたいのかに立ち戻ったり等、試行錯誤しながら修論完成まで粘り強く支えて引き出していただき、先生方には感謝しかありません。

大学院の学びを通して感じたこと、得られたことは

  • ・研究の成果に学びつつ、批判的思考を身につけ、自らの問いを振り返ることの重要性です。

  • ・学んだつもりだと思っていたことが、文章に起こす中でどれほど曖昧だったかを知り、書き上げた今も修論はまだまだ不完全だと思っています。

  • ・そして一番は様々な職種、対人援助職の仲間が居て、視野が広がった!!同期入学の仲間は心強い!!先生方や院生同士のディスカッションは楽しく、たくさんの学びが!


  • 迷っている皆さんも一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

藤岡 智子さん 看護教員

私は臨床での看護師経験を経て、現在看護教員をしています。大学院に入るまでは「看護学生はこうでなければならない」という私自身の理想と現実のなかで学生と向き合い、日々葛藤しながら学生指導をしていました。修士課程にすすむ上でその葛藤の中身は一体何だろう、その謎を解きたいと思い、臨床教育学を選択しました。様々な分野の考え方を学び、学生に対する捉え方もすっかり変わりました。なんと学生には無限の可能性があることに気づきました!


論文作成に際しては、自分自身のふがいなさに心が折れそうになり、私には研究は向いていないと落ち込むこともありました。

そのような中、研究結果から新しいことを発見すると、世界が一瞬にして広がるような喜びを感じることも経験しました。仕事をしながらですので、時間がなくていつも焦っていましたが、小さな発見に支えられながら、考えをまとめていくことの楽しさを知ることができました。

これも、丁寧に指導をして下さった先生方や互いに尊重し合える仲間との出会いがあり、院に通わせてもらえた職場の理解があったからこそです。せめて10年前に来ていたら良かった等「たられば」も考えましたが、私の人生で今だからこそこの充実した学びがあったのだと感謝しています。

教育現場の臨床では、次から次へと問題が発生します。そこで起こっている現象をどう考えればいいのか、どう行動すればいいのか、大学院での学びを基にこれからも考え続けていきます。そして看護学生が、患者さんの気持ちに寄り添える優しい看護師に成長することを夢見て、私自身も学生と共に成長していきたいと思っています。

2018年アンケート結果

大問 小問 平均値 評価の具体的内容 改善の方法
学修について ①新たな知識や考え方を提供したか。 4.9 基本的な研究のあり方、学問として現場の出来 事を表現する手法が学べた。 教育・心理・福祉と援助に関わる3つの分野か ら、各自の研究テーマに適した研究方法や調査方法が編み出せるよう指導に努めます。また、修了されたのちも、本研究科主催の学術講演会・シンポジウム・臨床教育研究懇談会などの案内をはじめ、ゼミ OB・OG の勉強会や修了生の自主的な研究活動を支援していきます。 また、修了生のメーリングリストを作成し、研究科が行う講演会や研究会等の情報を頻繁にお届けするよう取り組んでいます。
研究方法や分析方法など全く知らなかった。他 の職種の方の学び続ける姿勢に学ぶことが多か った。
根気よく学び続ける必要性を感じた。修了後も学 んでいきたい。
②専門分野の問題や研究課題の解決に活用できたか 4.7 論文を沢山読んだことで、最近の専門分野の動 向が理解できた。 講義だけでなく、関連論文を読んでの討論や、 それぞれの専門分野の課題とその考察を受講者 間で交流するなど、授業方法の改善に取り組んで いきます。
多くの現場での話を聞くことができたことで、自分 の臨床現場の問題に照らし合わせ考えることが できた。
自分のこれまでの臨床・実践を、先行研究に位 置づけ、対象化して考えることができた。
③対人援助職の広範な取り組みに興味や関心が広がったか 4.7 日常生活では対話もすることがない職種の人か ら専門的な話を聞く等、様々な分野の人と交わる ことができた。 全体特研や中間発表会などの研究発表の場だ けでなく、ゼミの交流や臨床教育研究懇談会での 研究交流も盛んにしたいと考えています。
④アンケートや聴きとり、資料収集などの方法やその読み解き、分析の方法、さらにプレゼンテーションの力量はついたか。
④-(1) 資料収集ができるよう になったか。 4.3 基本的な研究の進め方と、それぞれの段階の意 味、研究の世界の作法がどのようなものなのか、 大きな部分がよく分かった。
④-(2) プレゼントテーションの 力量はついたか。 3.8 研究分野に必要や語彙や概念が増えた。
④-(3) 質的研究法が理解で きたか。 3.9 インタビューの方法や研究倫理、具体的な配慮 のあり方がわかった。
④-(4) 量的研究法が理解で きたか。 3.4
④-(5) 論文を書くためのスキ ルは獲得できたか。 4.1 どのようにすれば他者に伝わる文章になるか、ゼ ミで何度も読み合って書き直した。
⑤現場で生じる様々な課題や問題についての新たな視点や確かな解決案が考えられたか 4.3 解決しなくてもいい。解決していない状況を描 き、討論し、学ぶということが大切だと知った。 課題が解決できるということは大事ですが、課題 がまずどのようなものなのかを明らかにすることを研 究の中心にすえ、その作業を通して明らかになっ た知見を、応用できる条件や範囲を示して提言で きる、「臨床」研究の基本が踏まえられるように指導 します。
現場で活かせる研究という視点を大事にした。
授業や研究指導について ①充実した内容だったか 4.9 様々な分野の先生や学友が、異なる立場や価値 観で意見を述べ、交流できたのが良かった。 ゼミでの教員・院生の討論が、研究内容の質を 高め、研究方法を精緻なものにします。特に人を 対象とする調査では、高い研究倫理が求められ、 これを具現化できるように支援します。
一方向での学びではなく、様々な分野の方との ディスカッションが知識や視野、考え方を広げて くれた。
②研究に対する指導教員の指導やゼミの院生の支援は、充実していたか 4.9 学識だけでなく、人間性も見えてよかった。 院生のみなさんの課題や研究テーマは、教員の 専門的な研究領域と異なる場合がほとんどです。 教員も院生の研究内容に接し、その分野の学習や 研究をともに探究する姿勢で臨めるように努めま す。
いつもゼミに来ると元気をもらえた。また、私のペ ースに合わせて指導していただきとても勉強にな った。
思考が混乱している時、緊張をほぐしながら、と ても丁寧に指導をしていただいた。
院生生活について ①大学院での生活(授業や研究の環境も含め)は、充実していたか。 4.8 やはり仲間は頼りになった。 18 時 10 分からの夜間の授業は、職場からの通 学時間が相当長時間の方もおられ、大変なことは 察せられます。また、21時の授業終了を遅らせば、 帰宅時間が遅れ、大変難しい課題です。授業の取 り方などについて個別に相談させていただきます。
授業時間に間に合わないので道中焦る。あと 10 分でも遅くしてほしい。
仕事と勉学の両立に、職場・家庭でさまざまに配 慮していただいた。

修了生アンケート結果