博士後期課程 教員紹介

― 臨床教育学分野(夜間) ―

安東 由則

安東 由則

専門領域:教育社会学

研究テーマ

  • 女子大学の国際比較研究
  • 私立中学・高等学校のサバイバル・ストラテジー

指導している院生の研究テーマ

  • 日本におけるフリースクールの誕生と制度化
  • X市における適応指導教室の取り組みとその成果
  • シミュレーション教育に対応できるSP(模擬患者)の養成プログラム開発
  • 協同学習を用いた看護教育の授業実践とその効果
  • 高校における教科「福祉」の展開

プロフィール

研究生活の初め頃は、明治期中等学校における身体やスポーツを対象とする歴史的な研究を行っていましたが、本学の教育研究所に赴任してから大きく方向転換。現在は日本やアメリカの女子大学に関する比較研究や私立中学・高校のサバイバル戦略の調査研究を行っています。これらの研究では、インタビューなどの質的分析と量的データ分析の双方を用います。大学院では、研究計画や調査方法などの授業も担当。

受験生へのメッセージ

この大学院に20年近くおりますので、実に様々な分野の社会人実践者の取り組みや苦労を学ばせてもらい、エネルギーをいただいてきました。修論指導における私の役割は、皆さんの実践に対するエネルギーを客体化し整理して、組み立てなおすお手伝いだと思っています。

教育研究業績書
上田 孝俊

上田 孝俊

専門領域:教育実践学、日本教育史

研究テーマ

  • 東日本大震災と復興の「思想」
  • 占領軍政下における「実験学校」の研究

指導している院生の研究テーマ

  • 生活綴方教育の実践とその教師像
  • 保育実践と保育士の「専門性」、その養成の課題
  • 学校教育と地域連携
  • 病いをかかえる子ども・若者とその保護者支援

プロフィール

小・中学校(社会科)の教員を30年間つとめました。困難な育ちのなかでも、それぞれの「子ども」が豊かな人格を形成しようとしている事実にふれ、それをも「学力」としてとらえることが教師に求められているのはないかと思いました。そのために教師はどのようなカリキュラムを創造すべきなのか、先達から学ぼうと現職で大学院に通い、大正期の及川平治(明石女子師範学校)の実践史的研究、戦後のコア・カリキュラムの研究をしてきました。現在は、東日本大震災後の被災地域での教師たちの模索を追っています。

受験生へのメッセージ

教師や保育士の仕事は授業や養護の実践・支援ですが、一方で子ども理解やカリキュラム作成の研究が、両輪のように求められていると思います。そして、それは独りで進められるものではありません。仲間に支えられ、一緒に悩んでくれる援助者に出会い、可能となると思います。そうした場として一番ふさわしいのが本学臨床教育学研究科です。

教育研究業績書
押谷 由夫

押谷 由夫

専門領域:道徳教育学、臨床教育学

研究テーマ

  • 道徳教育の理論と実践
  • 教育改革、学校改革、学級改革、授業改革の動向と課題への対応

指導している院生の研究テーマ

  • 道徳教育を中核としたスクールマネージメント及び授業改革

プロフィール

滋賀県の長浜市出身です。大学院修了後、四国の大学で10年間勤めて、昭和63年から、文部省・文部科学省で道徳教育担当の教科調査官として道徳教育行政・教育課程行政にかかわり、全国の先生方と交流してきました。その後、昭和女子大学に赴任し、文科省の審議会や各種委員会等に参加し、これからの道徳教育の在り方や学校教育改革について、現場の先生方とともに考え取り組んできました。今までのキャリアを生かして、現場の先生方の要望や悩みに応える道徳教育・学校教育を皆さんと一緒に創っていきたいと思います。

受験生へのメッセージ

一人一人の子どもたちが、自らのよさを生かして幸せな未来を拓いていけるようにするのが教育です。そのための教育はどうあればよいのか、道徳教育を中心として、日々の取り組みを踏まえながら、広い視野から考え自分を磨いていただけるように支援していきます。

教育研究業績書
河合 優年

河合 優年

専門領域:臨床発達心理学

研究テーマ

  • 乳幼児から青年期までの発達とその規定要因に関する研究
  • 児童生徒の学校適応に関する研究

指導している院生の研究テーマ

  • 看護師の中途退職とその生起メカニズム
  • 小学生の交通事故誘因に関する研究
  • 大学生における合理的配慮に関する研究

プロフィール

発達心理学を専門としています。人間発達における生物学的要因と環境要因の寄与について、子どもを誕生時から追跡することによって研究しています。この追跡という研究手法を使って、小学校に入学した児童の学校適応についても研究しています。 現在は、大阪大学を中心とした大学間共同研究に参加し、学校における子どもたちの心理的健康についての共同研究に参画しています。

受験生へのメッセージ

子どさまざまな場面での人間行動を、心理学的方法を用いて理解することを学びます。人の行動を科学的に理解したいと思っている人たちに来ていただきたいと思います。ここで得た知識や方法は、みなさんが学び続ける力になると思います。

教育研究業績書
倉石 哲也

倉石 哲也

専門領域:臨床福祉学

研究テーマ

  • 生活困難を抱える家庭への支援モデルの構築
  • 保護者支援の専門性に関する研究

指導している院生の研究テーマ

  • 妊娠期からの家庭支援モデルの開発
  • 対人援助職の人材育成に関する研究
  • 発達に課題を抱える子どもに保育を提供する保育チームの課題
  • 養育に困難を抱える家庭への専門的支援の研究

プロフィール

家族臨床、保護者支援が研究の柱です。神戸市で学齢期・思春期の子育てで行き詰まりを感じている保護者を対象とした親支援講座を2000年から継続しています。約10年かけてプログラムを開発し、当事者が支援プログラムを運営しても一定の効果が現れるようになっています。 西宮市、神戸市などと連携し、要支援家庭への支援のあり方について、保育所研修、保育所スーパービジョンを行っています。また大阪府では児童虐待ケースの措置に関する審査会への出席、福祉専門職スーパーバイザー養成研修のプログラム開発を行っています。

受験生へのメッセージ

「虚実皮膜」を大切にしましょう。理屈や理想が「虚」、現実が「実」、「皮膜」はそれらの間、つまり実践家が苦心し工夫しながら構築した実践の知です。臨床教育学を通して皮膜にある実践知を「形」に表しましょう。

教育研究業績書
中井 昭夫

中井 昭夫

専門領域:発達行動小児科学、小児精神神経科学、子どものこころ

研究テーマ

  • 神経発達障害に関する研究
  • 不器用さ、発達性協調運動障害(DCD)に関する研究
  • 子どもの睡眠とその問題に関する研究
                               

指導している院生の研究テーマ

  • School PT/OTによる発達障害への介入効果
  • 発達障害の親子への介入支援

プロフィール

医学博士。小児科専門医・指導医、子どものこころ専門医、公認心理師、臨床発達心理士、日本小児精神神経学会認定医、子どもの心相談医。小児科医、臨床発達心理士として、大学病院、子ども療育センター、連合小児発達学研究科、子どもの睡眠と発達医療センター等で発達障害、小児精神障害、様々な子どもの心の問題や睡眠障害について診療、研究、教育に携わってきました。運動、睡眠、食事など「身体性」が子どもの脳とこころの発達にとても重要であるという視点で診療や研究に取り組んでいます。特に、「不器用」と言われる発達性協調運動障害(DCD)について複数の国際・国内共同研究、学会・啓発活動などを行っています。

受験生へのメッセージ

発達とは、遺伝的素因と胎児期からの身体性を介した環境との複雑な相互作用の生涯にわたる連続的変化なのですが、この環境には、当然、いつ、誰と、どんな出会いをするかということも含まれます。当研究科で、子どもとその家族の発達、また、支援者を支えるひとりの大人として、リサーチマインドと高い専門性をもつジェネラリストに、そして、繋がる力、繋ぐ力を身につけて欲しいと思っています。

教育研究業績書

― 教育学分野(昼間) ―

田中 毎実

田中 毎実

専門領域:教育哲学、臨床的人間形成論

研究テーマ

  • 啓蒙と教育
  • パトスの人間形成論

指導している院生の研究テーマ

  • ドラッカーのマネージメント論の成立過程とその教育学的意義
  • 教員研修論の展開を踏まえた具体的実施計画とその評価
  • 幼稚園における子どもたちの自由遊びのフィールドワーク
  • 「気になる子ども」という教師の認識枠組に関する研究

プロフィール

発達と教育を契機とする「教育学」を、ライフサイクルと相互生成を契機とする「人間形成論」へと再構成し、これを、各種の学校、大学教育、遠隔教育などをフィールドとする「臨床的人間形成論」へと展開してきた。現在は、教育現場のフィールドワーク、京都学派教育学から臨床的人間形成論へ至る学説史、教育における啓蒙とその野蛮化の原理的研究などに展開してきている。

受験生へのメッセージ

学生と教員が歯止めなく思考を突き詰める共同作業を遂行できる場(フンボルト的学問教育共同体)は、今日では大学院だけの特権になった。これを生かして、大学院では教員と院生の相互生成のネットワークを作りたい。

教育研究業績書
西本 望

西本 望

専門領域:家庭教育、親子関係論、ECEC(幼児教育・保育)の教育課程

研究テーマ

  • 愛着形成と形成不全の機序
  • 基本的生活習慣の獲得・形成機序としつけの方策
  • 心の習慣(価値観・倫理的枠組み)の形成および転換
  • 保育の質と評価、玩具など環境構成、子育て支援・家庭教育

指導している院生の研究テーマ

  • 親と子の愛着および不全、保育者との愛着関係
  • 保育の質の維持向上:教育課程の改善、環境構成の整備
  • OECD報告にみられる教師・保育士の処遇比較とその改善の方策
  • 教育環境および保育環境の安全管理と事故予防、有事の対策

プロフィール

時代の推移にともなう日常の生活習慣や倫理規範の獲得・形成の機序の変容と愛着について、形成不全の要因を探求しています。

  • こども子育て支援、家庭教育について、産学共同での社会貢献
  • 日本玩具協会(大手玩具メーカー)との共同事業
  • 各自治体、民間事業者との放課後児童支援事業
  • 自治体および実践との幼小接続教育課程の編成

受験生へのメッセージ

多角的な視野から、親子・家庭、教育・保育実践、地域活動など独創的、積極的に忍耐強くとりくんで、時間・労力・経費を惜しまず、何事をも厭わないでとりくんでください。ただし特別な配慮が必要なときは申し出てください。

教育研究業績書
松下 良平

松下 良平

専門領域:教育学、教育思想

研究テーマ

  • 道徳教育論(原理的研究から授業研究まで)
  • 学習論(近代の学習概念の理論的・実践的な乗り越え)
  • 教育思想研究(哲学的研究・思想史的研究)

プロフィール

教育についての原理的研究を専門としています。J.デューイの思想をはじめとする過去や現在の教育思想・教育論を幅広く踏まえながら、道徳教育論や学習論(それを踏まえた教育論)を中心に研究しています。道徳教育や学習・教育についての従来の考え方を徹底的に問い直し、教育の具体的なあり方を見据えながら、新しい枠組みを提示することをめざしています。

受験生へのメッセージ

教育は実に多様な相貌をもち、謎に満ちています。人間を都合よく作りかえるための単なる手段などではありません。違和と魅力を同時に感じながら教育の謎に挑戦してみませんか。

教育研究業績書
矢野 裕俊

矢野 裕俊

専門領域:教育学

研究テーマ

  • 初等、中等教育
  • カリキュラム
  • 比較教育

指導している院生の研究テーマ

  • 保育士の職能成長に関する研究

プロフィール

学校カリキュラムの編成・開発とその意思決定をめぐる諸問題を、国際比較と歴史という二つの視点から検討しています。また、今日の学校カリキュラムの編成には生涯学習の視点も不可欠であり、現代社会における人々の生涯にわたる生活と学習との関連で学校教育の役割を考えています。

受験生へのメッセージ

カリキュラム開発やカリキュラムの諸領域(教科、特別活動、総合学習など)の各論に関心のある人はもちろん、社会における学校教育の役割について問題関心を持つ人を歓迎します。

教育研究業績書

― 臨床心理学分野(昼間) ―

萱村 俊哉

萱村 俊哉

専門領域:発達神経心理学、臨床発達心理学、健康心理学

研究テーマ

  • 発達障害児/者の神経心理学的アセスメントに関する基礎的及び臨床的研究
  • 発達障害児への学習指導に関する神経心理学的研究

プロフィール

もともとは発達障害の不器用さ(協調運動障害)に関する基礎研究に従事してきましたが、学校教育や家庭教育に強い関心を持っていたため、2000年ごろから、小中学校への巡回相談や教育センターにおけるアセスメント、学内心理相談室でのカウンセリングやプレイセラピーの実践、指導などにかかわるなど、臨床へと軸足を移しました。神経心理学の理念や理論を学校や家庭に受け入れられやすいかたちに翻訳し、それを学校や家庭に浸透させることが私の目指すところです。このことが、ともすれば起こりがちな先生と生徒、親と子どもの間の「ボタンの掛け違い」を未然に防ぐと信じているからです。

受験生へのメッセージ

子どもの発達や発達障害に関係する生理的、心理的、社会的な要因すべてに関心をもって研究と臨床活動を続けてきました。今、時代や社会の急変を実感しています。そのような中で、子どもの発達についてともに考えていく仲間を探しています。大学院で一緒に子どもたちの幸福につながる研究をしましょう。

教育研究業績書
佐方 哲彦

佐方 哲彦

専門領域:児童・青年臨床心理学

研究テーマ

  • 青年期のアイデンティティの形成と病理および自己愛の研究
  • ロールシャッハ法による心理アセスメントの研究

プロフィール

臨床心理士の資格制度が始まると同時に資格を取得しましたが、心理臨床家としてよりも教育者(大学教員)として医師や臨床心理士の卵たちを教育・指導してきました。青年臨床心理学を専門領域とし、アイデンティティや自己愛の理論や病理の研究を行っています。また、ロールシャッハ法による心理アセスメントにも強い関心をもって取り組んでいます。

受験生へのメッセージ

青年臨床心理学を専門としていますが、特定分野の specialist というよりも、何にでも興味関心をもっている generalist であり、むしろ generalist であることを目指しています。心理学ワールドの逍遙を一緒に楽しみましょう。

教育研究業績書
佐藤 安子

佐藤 安子

専門領域:ストレスマネジメント論、健康心理学

研究テーマ

  • 対人援助職者におけるストレスの自己調整
  • 心身相関からみた生活習慣と健康支援

プロフィール

総合病院と一般企業で現場実践者として心理支援に従事してきました。武庫川女子大学臨床教育学研究科博士後期課程でストレスの自己統制機序をテーマに研究し、これをもとに対人援助職者自身のストレスマネジメントの仕組みについて研究しています。

受験生へのメッセージ

「科学する目」と「自他を受け止めること」は表裏一体です。これらを織り上げる力を学び、そして楽しみましょう。フィールドは大切な先生で、対人援助に携わる人は自分自身が援助の手段です。

教育研究業績書
西井 克泰

西井 克泰

専門領域:児童・青年臨床心理学

研究テーマ

  • 発達障害の心理療法
  • 被虐待児のトラウマケア

指導している院生の研究テーマ

  • コーチングを用いた親子関係の改善
  • スクールカウンセリングにおけるプレイセラピー

プロフィール

児童養護施設において、被虐待児の心理療法を30年以上続けています。施設児と長い間接している中で、発達障害との類似性に気づいてきました。そこで、発達障害児への心理療法(SSTや療育ではありません)を模索しているところです。従来のプレイセラピーとは異なる手法が求められており、主として脳に働きかける発達支援的アプローチを確立しつつあります。

受験生へのメッセージ

発達障害や児童虐待に関心のある方、また、子どもとのコミュニケーションの取り方に関心のある方、歓迎します。修士論文の指導を担当していませんので、授業でお会いすることになります。いろいろとディスカッションしながら授業を進めていきます。

教育研究業績書